英語の絵本や歌を本当に効果的に使って指導していますか?

おこがましいと言われるのを承知で書きます。新しく始まる日本の小学校英語教育において、最初に英語の音を聞く力を育てるなどとうたわれているけれども、教師も、教育研究者も、その本当の意味と手段を理解していない。
英語の音はただ英語の発音だけ考えていてはだめなのだ。英語のリズムとイントネーションを正しくつかむこと、これがどんな言語を習得するうえでも最重要なことなのに、それがまったく指導者からは伝わってこない。

子ども達の英語の理解や習得を助けるために英語の絵本や手遊び、チャンツ、歌を導入するのは重要で効果的だが、それが英語本来のリズムからかけ離れた調子で行われている現実。
それがどれほど子ども達の英語習得の妨げになっているか、指導者の方々は理解していないだろう。

今日、絵本、チャンツ、歌などを英語教育の教材として取り入れることを研究されている方々の実演を見て、本当にがっかりしてしまったのだ。
こんなのじゃ、子ども達は英語の楽しさを感じることはできない。ましてや「まるごと」教師のあり方を取り込むことのできる時期に、このような形で「英語」が入ってしまうのは、デメリットのほうが大きいのではないか。

なぜ、本場アメリカやイギリスの人々による「お手本」がCDでいくつでも見つけられるような英語の読み聞かせを、残念な形でやってしまうのか。今ではYoutubeなどでいくらでも、お手本を探すことができるのになぜそれが探せないのか。イギリスで研究してきた方や、その道の研究者、プロですら、こんな指導実演しかできないのか。じゃあ現場の先生方は、いったいどんなことをしているんだ。

私は、今までのさまざまな経験を通して、英語のリズムと音楽のリズムと身体の動きを連関して習得することで、英語という言語を効果的に習得できると直感した。それから英語の言語学、音声学、第二言語習得論、脳科学、ダルクローズやオルフの音楽教育理論、音楽的リズムのトレーニング方法、英語の発音をよくするメソッド、アメリカ手話、フォニックスなどなど、ありとあらゆる本を読み漁った。そして、自身のダンスフィットネスの指導経験も取り入れ、自分の直感を裏付けし、肉付けし、実践してきた。
だから英語教育に関しても音楽教育に関しても、すべて独学だ。だけど、だからこそ、既存の理論に縛られることなく、自分の気づきにたどり着くことができたのだと、自信を持って言える。そしてその気づきが、日本では(おそらく世界でも)まったく気づかれていないし、下手したら抹殺されかねない、ということも理解している。

だから一つ決意したことがある。
私は日本で、英語の手遊びうた、アクションソング、リズムを効果的に取り入れた英語の読み聞かせ、これらを教える指導者のロールモデルになる。
小学校の外国語活動、英会話教室、プリスクール、英語リトミックや英語で教えるダンス教室なども含め、日本で行われているさまざまな英語の活動において、手遊びや歌を行う教育的意義や効果的な指導方法(そしてやってはいけない指導方法)をきちんと説明でき、実演までできる「ロールモデル」がいないのは、英語教育における問題の一つだと思う。
私は英語のリズムと動きと音楽のプロとして、日本での指導者のロールモデルとなって、それを身をもって示していく。必要な情報を伝え、広げてゆく。
それを形にしたものが、「Rhymoeプラクティショナートレーニング」なのだ。

私一人で、影響を与えることのできる子ども達の数は限られる。だけど多くの指導者が変わっていけば、日本の子ども達はどんどん変わっていく。日本の英語教育も、どんどん変わっていく。それを信じて動いていきます。

 

一般社団法人英語リズムムーブメント協会(ERMA)
Rhymoe考案者

石川良美

えいごであそぼうRhymoe(ライモー)Twinkle Twinkle Little Star and Goodbye Song きらきらぼしとさよならのうた

リズムと動きで、楽しく自然な英語のリズムを身につける、
ユニークなプログラム、Rhymoe(ライモー)

Rhymoeの最後にいつも歌う「きらきら星」 日本でもおなじみの歌ですね。
ゆっくりした歌では、ASL(アメリカ手話)の動きを取り入れて 歌うようにしています。

この曲では、twinkle, star, wonder, you, up, world, diamond, sky といったASLを使っています。
そして、この曲のTune(メロディー)を使って、「さよならのうた」につなげています。

Rhymoe でASL(アメリカの手話)やベビーサインを取り入れるようになってすごく感じるのが、手話ってなんて豊かな言葉なんだろうということ。
手話というと手だけ使っているような感じがするけど、これって身体全体、そして目や口、顔の表情、動きのリズムをも含めた、すごくトータルなコミュニケーションスタイル。
だからすごく情報が多く、表情豊かで。
なので言葉が違う人にも実は、伝わりやすいのだ、というのを実感しています。

アメリカの小学校で、手話を児童の学習に取り入れて効果があったという事例もいくつも聞いていますし、実際、私もRhymoe やZumbini でASL/Baby signを使う効果を自分自身にも参加者にも、感じています。

ぜひ一緒にASLをまねして、歌ってみてくださいね!

 

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Twinkle twinkle little star きらきらひかるちいさなほし
How I wonder what you are あなたはいったいだれなんだろう?
Up above the world so high そんなにそらたかくにあって
Like a diamond in the sky そらにあるダイヤモンドのように
Twinkle twinkle little star キラキラひかるちいさなほし
How I wonder what you are あなたはいったいだれなんだろう?

Music: ELF Learning “Twinkle twinkle little star ” from “ELF Kids’ Songs 2

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That’s all, that’s all for today おわり、これできょうはおわり
Next time won’t you come and play またつぎもここへきてあそぼう
We have so much fun together いっしょにたのしかったね
We hope to be friends forever ずっとともだちでいたいね
Goodbye, goodbye everyone さよなら、さよなら みんな
Goodbye, goodbye everyone さよなら、さよなら みんな
Goodbye, goodbye everyone さよなら、さよなら みんな

えいごであそぼう Rhymoe(ライモー)じゅんびたいそう

 

レッスンのはじめに行うウォーミングアップです。

clap / shake / roll / rub / pat / tap / wiggle / pound
通常のレッスンでよく使う動詞を使って、 英語のリズムに合わせて体を徐々に動かしていきます。

英語のリズムは速くなったり、遅くなったり。
それでも「バウンシングリズム」を感じながら、 一緒に動いていきます。

次に行うのが Up / Downの動き。
これも英語のバウンシングリズムを感じながら、 一緒に息を合わせて体を動かしていきます。
それが徐々に、Stand Up(立つ)、Sit down(座る)、 Turn around(回る)という動作に変わります。

ここまで来たら、ほぼ準備はOK。
みんなで一緒に”Stand Up, Sit Down”の歌に合わせて 「バウンシングリズム」で身体を揺らしていきましょう!

①肩の力を抜いて!
②足を肩幅に開いて、軽くひざを曲げて!
③軽く身体を上下にふわんふわんとバウンスさせる!
これがバウンシングリズムを身体で感じるコツです。

曲がだんだん早くなってきて、徐々に歩いたり、走ったりしていきます。

これで準備はOK!! Rhymoeのアクティビティに入りましょう。

【6か月から1歳にかけてのベビーと一緒に行う場合】
・特にUp/Downのパート以降は、しっかりと首に手を当てて、身体全体を抱きかかえるように支えてあげてください。
・上に身体を持ち上げたり下に下ろしたりするときは、首すわりや体の発育状況に応じて、しっかりと身体を支えてあげると同時に、ゆっくりと上げ下ろしをしてあげてください。
・”Stand Up, Sit Down”の歌では、常にしっかりとベビーを抱っこしつつ、軽くバウンスする程度にとどめましょう! またSit Downでしゃがみこまないようにするのがポイントです。ベビーを抱っこしたまま下に何回もしゃがむ動作はとても負荷が高く、ひざを痛める可能性があります。ビデオで行っているように、浅くひざを曲げる程度にします。

【6歳以上の子どもと一緒に行う場合】
Stand Up, Sit Downの曲で、バウンスの動きをするのが苦手だと思った場合は、2人一組になって両手をつなぎ、肩の力を抜いて一緒にバウンスをするように促すとやりやすくなります。

Song: “Stand Up, Sit Down” by Patty Shukla 
iTunesで購入 / Amazonで購入 / Youtube Video

Patty Shukla Youtube チャンネル 

Patty Shuklaの曲のほとんどは、iTunesおよびAmazonにて購入することができます。

 

 

えいごであそぼう 絵本はらぺこあおむしと手あそび the very hungry caterpillar & bouncing fingerplays

子ども達が大好きな絵本はらぺこあおむしの読み聞かせと、
それにちなんだ手遊びをご紹介します。

ビデオで使用しているちょうちょは、和紙を「折り染め」という手法で染めて、蝶の形に切ったものです。
それを手に持って上下にする動きが、英語のバウンシングリズムとリンクしています。
そのため蝶のはためきを表現しやすいように、紙の質感にこだわっています。

折り紙でも簡単に作ることができますので、試してみてください!
<作り方>折り紙を2つ折りにし、蝶の形に切る。
折りすじのところにストローを長さを合わせて切ったものを、セロテープではりつける。

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①(To the tune of “Are you sleeping?“)

Caterpillar, Caterpillar, In my hand, in my hand
Soon you’ll be a butterfly. Soon you’ll be a butterfly.
Fly away, fly away.

②(To the tune of “She’ll Be coming Round the Mountain”)

There’s a tiny caterpillar on a leaf, wriggle, wriggle!
There’s a tiny caterpillar on a leaf, wriggle, wriggle!
There’s a tiny caterpillar, a tiny caterpillar
There’s a tiny caterpillar on a leaf, wriggle, wriggle!

There’s a hungry caterpillar on a leaf, muhch, munch!…

There’s a big caterpillar eating leaf, munch, munch!…

There’s a big caterpillar sleep away, shh, shh!…

There’s a lovely butterfly flying high, flutter, flutter!…

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③ (to the tune of “Skip To My Lou”)

Flitter, flutter, butterfly, Flitter, flutter, butterfly, 
Flitter, flutter, butterfly, Fly up in the big blue sky

Flitter high…And Flutter low…

Flitter fast…And flutter slow…

Flitter to the right…Flutter to the left…

Now, Flitter, flutter, butterfly, Flitter, flutter, butterfly, 
Flitter, flutter, butterfly, Fly up in the big blue sky

「赤ちゃんが話すまでに起きていること」より

赤ちゃんが話すまでに起きていること(赤ちゃん学へようこそ)」に面白いことが書かれてあります。

生後半年ごろから出てくる喃語は言葉なのでしょうか。どうもそのようだ、ということを示唆する研究があります。脳の中で言葉をつかさどる部分は、ほとんどの人は左半球にあり、左半球は体の右側の機能を支配しているので、大人は通常、言葉を発するときに口の右側がよく開きます。赤ちゃんがいろいろな声を出している時の顔をビデオに撮っておき、顔を半分に分けて口の左右の開きを解析すると、喃語ではない発声の時は左右の口の開きに差はありませんでしたが、喃語を発声している時はやはり、口の右側の開きが大きくなりました。喃語が意味を含んでいるかどうかは分かりませんが、言語をつかさどる左半球のコントロールが強いことから、少なくとも“話し言葉の前駆体”と考えていいようです。(麦谷綾子・NTTコミュニケーション科学基礎研究所主任研究員)

口の開き方で、口から音声を発しているときの脳の働きの様子が推測できるというのは、面白いですね!

また、赤ちゃんの言葉のリズムや音声上の特徴が、割と早い時期から母語の特徴を伴っているということも紹介されています。

言語にはそれぞれリズムや音声の特徴があります。私が行った研究で、ある日本人の赤ちゃんが5歳になるまでの声とお母さんの声を収録し、そのリズムを解析しました。すると、赤ちゃんの声は月齢が上がるにつれて、だんだんお母さんの話す日本語のリズム特徴に近づいていき、25カ月にはお母さんの発声リズムとほぼ同じ状態なりました。つまり赤ちゃんは2歳よりも前にお母さんの発声をひな型に言葉のリズムを獲得しはじめて、2歳ごろには母親と同じようなリズムで話すようになる可能性が考えられます。

発声に母語の特徴が現れるのはもっとずっと早いことを示す研究もあります。ある研究者がドイツ人とフランス人の新生児の泣き声を分析し、声の強さと高さを調べました。ドイツ語は最初の音が強く、高いという特徴がありますが、ドイツ人の赤ちゃんの泣き声もまさに同様でした。フランス語の特徴は語尾が伸びがちで、後ろの音が強く高いことですが、フランス人の赤ちゃんの泣き声も最初の部分より後ろの方が強かったのです。つまり、新生児の泣き声の高さと強さの変化の特徴はそれぞれの「母語」の音声特徴に一致したのです。この結果から、赤ちゃんは胎児期におなかの中でお母さんの発声を学習していると考えられます。

これらの事実から、赤ちゃんは母親やその他の養育者との相互的なやり取りを通じて、母語(「母国語」ではない)の音声的特徴(リズムやイントネーション)を学習し、喃語などで再現することを通じて、言語能力を発達させていると言えるでしょう。その土台のもとに、子音や母音の発声が学習され、それらの組み合わせと意味が結びつき、言葉として獲得されていくのです。

 

 

マザリーズの重要性

「保育Lab」の「010「子どもの音感受の世界」その4・・・語りかけ歌いかけの大切さ」からの引用です。

コミュニケーション能力を発達させ、豊かな語彙を獲得して行くには、周囲からの適切な働きかけが不可欠です。そしてこの時、音声を介したコミュニケーションが、適切な働きかけの重要なツールとなっています。Sternら(1982)は、母親が乳児に対して語りかける場面に応じ、音調曲線を選択的に使い分けるのは、異なる音声には異なるコミュニケーション情報が含まれることを乳児に気づかせるためであると述べています。こうして母親や保育者と関わるなかで、私たちは赤ちゃんの頃から、声の表情から感情を読み取るとともに、自分の感情を音声に表現することを学習しているのです。

母親が赤ちゃんに対して語りかけるとき、高めの声でゆっくりと、抑揚をつけたり言葉を繰り返したりする、歌っているような独特の語り方をしますね。それをマザリーズ(育児語)と言います。マザリーズは母親だけでなく、父親や祖父母といった養育者に加え、乳児との接触未経験学生の子どものあやし行動の中でも出現する(中川・松村:2006)ことが明らかとなっているそうです。

また、母親と乳児との音声的なやりとりには、文化的な差異がほとんど見られず、驚くほど互いに似通っているそうです(Trehub: 2003)。
そのやりとりは、音程の幅が広く,反復型のリズムを持ち,音楽的であるとともに、はっきりとした感情と指示的な(知識を与える)内容を持っているようです。

しかし、その音声的なやり取りには、母語となる言語の特徴、リズムやイントネーションが含まれています。やがて乳児の月齢が上がるにつれ、喃語的なマザリーズに言語的な要素が加わっていきます。子どもは母親や養育者から受け取る音声的な情報から、母語とする言語の特徴を学んでいくのです。

赤ちゃんが話すまでに起きていること(赤ちゃん学へようこそ)」にも、次のようなことが書かれてあります。

少なくとも生後8カ月の赤ちゃんは、育児語のリズムパターンに注意を向けることも分かっています。大人は対乳児発話や育児語の使用を求められているわけではないのに、使ってしまいます。おそらく赤ちゃんという存在の“かわいさ”を感じた時に、こういう発話が引き出されるメカニズムが人間に備わっているのではないでしょうか。こうした相互関係が言語獲得を含めた発達に有利に働いているのではないかと考えています。(麦谷綾子・NTTコミュニケーション科学基礎研究所主任研究員)

 

 

 

フラッシュカードによる知能教育は本当に良いのか?

幼児教室で「**歳でIQが200以上」とか「フラッシュカードを使用してたくさんの知識を吸収しやすい時期にインプット」とかいう謳い文句がありますが、私はあまり好きでないです。でもあまりにもそういうのを多く見かけるので、フラッシュカードって本当にいいのか?と思って少し検索したら、こんな記事がありました。
 
「フラッシュカードを実践することで、
・独り言ばかりを言うようになって名前を読んでも振り返らなくなった
・生気が見られず、元気がなくなった
・自主性が失われてしまった
こんな問題も発生しているようです。」
 
筆者は「ある意味当然のことです」と書かれていますが、その通り。
 
言葉や知識は、子どもの世界を自発的に広げていく行為と結びついているべき。特に幼児期においては、吸収が早いからこそ、フラッシュカードなんかに頼らず、その子どもに寄り添って、大人が世界を示してあげる。そして自分で世界を探求する時間と空間を与える。そうして初めて、子どもの世界は豊かに育つのだと信じています。
 
そのために、本物にふれる。本物を見せる。本物を聴かせる。
 
CDでなくライブ。
映像でなくて生身の人間。
アプリではなくて、本物。
 
それはすごく大事なことと思います。

中学校の英語教育に英語リズムムーブメント

7月に東京でRhymoe(ライモー)®勉強会を行ったとき、こちらのSENSEI PORTALに告知させていただきました。するとそれをご覧になった秋田の中学校の英語の先生が、わざわざ秋田から勉強会にいらしてくださいました。

小学生とその保護者と一緒にRhymoe(ライモー)®のレッスンを体験していただいたところ、その先生は終わった時「こんなに心から楽しくなる英語の授業があったらどんなにいいだろうって、感動しちゃいました!」と、涙ぐまれたのです。

私は思いもよらない感想に驚くとともに、やはり英語リズムムーブメントを学校機関に持っていきたい、先生方にお話させていただきたいという思いを強くしました。

今日Jolly Phonics(ジョリーフォニックス)というフォニックスメソッドのトレーニングを受けてきたのですが、同じテーブルになった宮崎の中学校の英語の先生から興味深い話を伺いました。

昔は入学したての生徒は「これから英語を学ぶんだ」とわくわくしていたのに対し、最近は入学した時点で「英語嫌い」の子が多くなっているのだそうです。小学校で外国語活動が導入され、小学5年や6年で英語を学んだ結果、「英語は難しい」と思って入ってくるのがわかる、と。
ご存知のように中学校では、教科書に沿って授業が進められ、テストもあるのでテストに向けて試験範囲をどんどん丸暗記させ、読ませる授業を行わざるを得ない。フォニックスはとてもいい方法だと思うが、これを系統だって導入する時間が授業内で取れるかどうか、難しい。ということだったのです。

そして私のRhymoeや英語リズムムーブメントについて説明させていただくと、「中学生になると恥ずかしがる一方で、意外とダンスは好きでのったりする。自分が即興で作ったリズムチャンツを、生徒は想像以上に長く覚えている。だから中学生にはRhymoeを授業の始めにウォーミングアップとして入れたら、はまるかもしれません。機会があったらぜひRhymoeのワークショップを受けてみたい」とその先生はおっしゃいました。

他にも個人で英語教室をされている方、学校で英語を教えてらっしゃる方などにもお話させていただく機会がありましたが、どの方も、Rhymoeを「今まで聞いた事のない新しいアプローチであり、必要なことだ」と、とても興味を示してくださいました。

私がERMAを設立したのには大きく2つの理由があります。

一つは、子ども達にリズムと動きで英語を話す「楽しさ」と「喜び」を知ってもらうこと。この楽しさや喜びは、単に楽しい音楽を聴いて「楽しくなる」のではなく、英語や音楽、動きに通じるリズムをつかんだときにはじめて感じることのできる、深い「楽しさ」「喜び」です。

そしてもう一つは、先生方・指導者の方々に、英語リズムムーブメントをご紹介することで、「英語・リズム・音楽・動きの深い関わり」に気付いていただくこと、そしてそれをそれぞれの方の指導に生かしていただくこと、です。

ですからRhymoe(ライモー)®というメソッドを発展させていくことはもちろんERMAの目的としてありますが、それ以上に、英語リズムムーブメントという概念を広めていくことがERMAを設立したそもそもの意図なのです。
だからこそ、Rhymoe(ライモー)®入門講座は、英語に興味のある方、ご家庭で子どもに英語を教えたい方、実際に学校や英語教室で英語を教えてらっしゃる方だけでなく、英語リトミックの先生、音楽の先生、ダンスの先生、など、様々な方に開かれたワークショップとして行っているのです。

Rhymoe®と他の英語プログラムとの違い

Rhymoe(ライモー)はぱっと見、そしてぱっと体験しただけだと、他の英語リトミックだったり、英語でダンスのプログラムと同じように捉えられがちです。しかしそれらとは異なります。

まず英語リトミックとは目標とするところが違います。Kidsのプログラムでは非常に共通点が多いのですが、リトミックが音楽的発展(読譜、調音、ソルフェージュ、即興演奏など)を目標とするのに対して、Rhymoeは言語的発展(英語のリズム感覚の養成、英語の発音の向上、音楽のリズム感覚の養成、など)を目標としている点が異なります。これはレギュラーのRhymoeプログラムで顕著となり、Visual Phonicsやリズミカルなチャンツなどを行い、そのような言語的能力の発展をめざします。

それから「英語でダンス」的なプログラムとは、動きながら英語の歌を歌ったり、英語を話したりするところの、根拠となる部分が決定的に違います。おそらく「英語でダンス」プログラムでは、オール英語でダンスの指導をすることで「全身で英語を感じ、英語を学ぶ」とうたっているでしょう。しかしながら、それが本当に、英語という言語の動きと、われわれ日本人が本来持っている動きの特性とを考慮したうえでのアプローチになっているか、という点では非常に疑問が残ります。そしてその結果、英語で踊って英語を学んだ気になっているけど、ほとんど身にはついていない、ということが十分起こりえます。

日本のわらべうたとイギリスのナーサリーライムで日本語・英語の言語リズムを比較した鷲津名都江氏は、英語の言語リズムを「バウンシング・リズム(ボールが弾むようなリズム)」、日本語の言語リズムを「ストンピング・リズム(足を踏みしめて歩くようなリズム)」と紹介しました。
そして、日本人英語教育指導者がナーサリーライムなどを使用して英語教育をする際、「日本語の重いストンピング・リズムの足取り・振り付け」で、弾むようなバウンシング・リズムを持つ英語の音楽を使って踊る指導をしており、「ますます重いストンピング・リズムの訓練になってしまう」、「日本人のストンピング・リズムが無意識のうちに顔を出してしまうのですから、自分たちの文化・言語の中で身についたものは本当に根深く、自覚していないと恐いものです」と述べています。またこれは、日本人英語教育指導者だけでなく、英語ネイティブ教師についても同様の現象がみられる、すなわち、日本人が本来持っている身体の動きの特性を理解できないまま、知らず知らずのうちにストンピングリズムの動きを増長してしまう、ということがしばしば起こっているのです。

そのためRhymoeでは、まずバウンシングリズムに体が慣れるところを大切にします。それを促すために、レッスン中には必要に応じて日本語の説明を入れます。それはなぜこの動作をするか、なぜこの言葉を言うか、ということを分かったうえでやっていただきたいからです。大人にはそれが非常に効果的ですが、子どもであっても同様です。
なぜならば、われわれ日本人は、母語が日本語だから。日本語の方が明らかに、理解できるから。そして体を英語に同調させることを当人が理解したうえで、英語のリズムに触れる。そのほうが、ただネイティブの英語だけを聞いて慣れていくよりも、圧倒的にたやすく、すっと英語が体に入り、そして忘れないのです。

おそらく英語教育に熱心な保護者の方々にとっては、そんなこと信じられない、と思われるかもしれません。実際うちで毎日英語のビデオや音楽を聞かせているとか、英検何級を取ったとか、フルタイムの英語スクールに通わせてるとかいう方の中には、私のRhymoeのやり方を聞いても「この子には易しすぎる、そんなことは必要ない」とおっしゃる方がいます。
けれども私はそのような方に問いかけます。
その子ども達は、本当に、英語でコミュニケーションできるスキルを持っていますか?
発音がネイティブ並みに奇麗でなくても、英語のリズムをつかみ、ナチュラルな英語を聞き取れ、ナチュラルな英語を話せ、ネイティブの人に通じますか?
いくら英語のアルファベットが書けても、単語を知っていても、英語でコミュニケーションをとるための素地がなければ、その英語学習は、いったい何のための学習ですか?ただ受験のためですか?

小さい頃から全て英語でやっている環境に身を置いていれば、子どもが自然と英語を理解できるようになる、英語を話せるようになる、と思っていたら、それは残念ながら間違いです。それが本当の意味で発揮されるのは、第2言語の習得に最適期と言われる、5-6歳くらいからでしょう。そのことは、乳児期から小学低学年までアメリカで上の二人の子どもを育て、さらに第3子を4歳半から2年アメリカで育てた経験、そしてその間、同年代の在米日本人の子ども達を観察していて実感していることです。
5-6歳になるまでの幼児期では、英語を話したり書いたりすることに躍起になることよりも、母語と異なる言語の音に同調する能力を高めておくことに重点を置いた方がいいでしょう。すなわち、どのように言語を身体で聞き取り、受け止め、再現するか。ということです。そこに徹底的に向き合っているのが、Rhymoeなのです。そしてそのような言語に対するアプローチは、小さい子どものみならず、すべての年齢にとって有効なのです。