10分でわかるRhymoe(ライモー)

Rhymoe(ライモー)ってなんのこと?
これは、「リズム」「動き」「英語」を組み合わせた造語です。
リズムと身体の動きを効果的に使って、英語を習得するための手法を、私たちはRhymoe(ライモー)と呼んでいます。
ここでは、そのRhymoeのベースとなっている理論を、簡単にご説明します。

Rhymoeが生まれたきっかけ

2015年、当時ダンスフィットネスインストラクターをしていた石川が、子ども向けの英語ダンスクラスを依頼されました。せっかくならば英語でダンスを教えるだけでなく、少しでも英語が身についたほうがいいのではと、日本で販売されている英語教材を使いながらできないかと考えました。そこでレビュー評価の高い有名なある英語教材を取り寄せ、「ホーキーポーキー」というダンスの曲を聞いた時に愕然としたのです。

「なんだこれ?これじゃあ踊れない。何より私が楽しくない…!
だけど、ネイティブスピーカーが歌っているのに、なんでこんなに楽しく感じないのだろう?」


何とも言いようのない違和感を感じたことに大きく興味を持った石川は、英語教育、音楽、ダンスに関する本を探しました。そしてある日、「言語リズムには身体の動きを伴う」ということ、そして「日本人の英語教育専門家が、往々にして日本人の重い足取りのリズムが英語と異なることを理解していない」と書かれた著書「増補版 わらべうたとナーサリー・ライム 」(晩聲社、鷲津名都江、1997)に出会い、ハッとしたのです。

「じゃあ、ダンスフィットネスでやっているように先に英語の身体のモードに導いて、その上で英語のフレーズを言ってみたら、日本人にも英語がすんなり入るんじゃないか?」 と、ふとアイデアが浮かんだのです。

これまでの英語とのつきあい、音楽経験、そしてダンスフィットネスインストラクターとしての経験が、一つに結び付いた瞬間でした。

そして英語と音楽、身体の動きは、すべて「リズム」でつながっているという図を描き、そのコンセプトを「リズム」「動き」「英語」の3つの頭文字をとってRhymoe(ライモー)と名付けたのです。





初めてRhymoeのワークショップを行ったのは2015年11月、兵庫県西宮市でした。
たくさんの親子さんが受けに来てくださいました。
そして受講者の反応を見て、このコンセプトは間違っていないと確信しました。

そこからさらに英語教育、言語学、教育学、幼児教育、音楽教育、心理学、脳科学などに関する様々な本を読み、理論を学びつつ自身のクラスで実践をしながら、独自のRhymoeの理論と手法を確立してゆきました。

英語と日本語のリズム

英語と日本語のリズムは大きく異なります。でも、どのように違うのかご存知ですか?
英語は「強い、弱い」を繰り返す「ストレスリズム」を持っています。モールス信号や、波のリズムに例えられることが多いです。強い音は比較的長く、高く発音されます。そして、この強い音に意味のある言葉が来るのが特徴です。
一方、日本語は一つ一つの音の長さが同じ「シラブル(モーラ)リズム」を持っています。これはマシンガンのようなリズムと例えられることが多いです。一つ一つの音の長さ・強さが同じで、その音の高さで意味を判断します。
「それぞれの言葉には固有のリズムがあり、身体の動きを伴う」と唱えたのは、元うたのお姉さんでもある、鷲津名都江氏です。自身の童謡歌手としてのキャリア、そしてロンドンでのナーサリーライム研究を通じて、英語にはボールが弾むような動きを伴う「バウンシングリズム」が備わり、日本語には常に下方向に足を踏みしめるような動きを伴う「ストンピングリズム」が備わっている、としました。

母語の干渉と転移

母語が習得されるにつれ、母語以外の外国語にふれたときに、二つの現象が起きます。
一つは「母語の干渉」と呼ばれるもので、外国語の特定の音素が母語にない場合に聞き取れないことです。例えばRefrigeator(冷蔵庫)という言葉には、たくさんの日本語にはない音素が含まれているため、日本人が聴くとなかなか音が聞き取れない、ということが起きます。
2つ目は「母語の転移」または「置き換えの体系」と呼ばれるものです。母語にない外国語の音素を表出する際に、類似する母語の音素に置き換えることです。例えば日本人が”Rule”と言おうとするとき、”r” の音は日本語にないため、類似する「ル」の音に置き換えて発音します。これが転移に当たります。
日本人は常に日本語で話し、聞き、考えるため、日本語のリズムを感じ取る身体のモード、すなわち「ストンピング身体モード」になっています。この状態で英語を話すと、ストンピングリズムの影響を強く受けた英語となります。それは本来の英語のリズムと大きく異なるものになるため、意味が通じにくい英語となります。
つまり「母語の干渉」というものは、言語を聞き取るための「身体モード」から引き起こされるといえます。日本人のストンピング身体モードのままで英語に触れたとき、母語の干渉として「聞き取れない英語」「意味が通じにくい英語」となるのです。
そのような現象は、英語にとどまりません。英語の言語と大きな関わりを持つ西洋音楽や、その西洋音楽を用いるダンスにおいても、このような「母語の干渉」が見られるのです。

非常に厄介なのが、英語のリズムを習得しようとして使われることの多いチャンツ(メロディーのない歌)が、日本人が作成した場合には本来の英語のリズムと大きく異なり、むしろ英語のリズムの習得を妨げかねない事態となることが多いことです。
「英語本来のリズムを習得できない=英語の意味が理解できない、伝わらない」に通じるため、この問題は非常に深刻です。
しかしながら、日本の英語教育の専門家や、音楽の専門家で、このようなことを理解している方はほとんどいません。それは日本の英語教育の教材などを見聞きしても、明らかです。


Rhymoeワークショップでは、日本と欧米の英語教材を聞き比べ、どのように身体で感じるのか、どのように異なるのかを体験していただくコーナーがあります。同じことを言って(歌って)いるはずなのに日本と欧米の教材でこんなに違うのかと、皆さんびっくりされる大人気のコーナーです。興味をお持ちの方はぜひRhymoeワークショップを受講ください。

Rhymoeの考え方

Rhymoeは、英語の言語リズムの動きである「バウンシングリズム」を使って、効果的に英語を習得するための手法を言います。これを「英語リズムムーブメント」と呼ぶこともあります。
①まず身体のモードを「バウンシングリズム」のモードにします。
②次に、様々な身体運動を用いて、英語をリズムよく口ずさみます。
③それによって、英語が自然に、「身体にしみ込むように」入っていきます。

これによって、英語を聞きとる力、そして話す力の土台ができるのです。

Rhymoeにはおひざ遊びや手遊び、ダンスなど、様々なアクティビティがあります。
どれも、英語のリズムを身体で感じることを重視しています。
英語のリズムを身体で感じることができると、本能的に楽しく感じます。
思わず英語のフレーズをいっしょに口ずさみたくなります。
いっしょに身体を動かしたくなります。
そして知らず知らずのうちに、フレーズを口ずさみ、身体でフレーズを覚えてしまいます。

「まるで、英語が身体にしみ込んでいくみたい…」
ある保護者の方が、そうコメントしてくださいました。

それがRhymoeなのです。

石川良美(Rhymoe考案者)

京都大学教育学部卒業
アメリカ在住8年、アメリカで3人の子育てを経験。
日本語補習校幼稚園教師、日本語教師、トランペット奏者、ダンスフィットネスインストラクターなどを経験。
2015年、言語と身体の動きとの関連に注目し、Rhymoe(ライモー)®を考案。
2017年、一般社団法人英語リズムムーブメント協会(ERMA)を設立。

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