感覚の重要性

Rhymoeというプログラムを作り出して、これで3年が過ぎました。
特にこの1年で、私がRhymoeによってやりたいことが、かなりはっきりと見えてきました。

その中で重要なことの一つが、「色・質感を大切にする」ということ。

Rhymoeで使う教材は、色、形だけでなく、質感にかなりこだわって材料を選び、試行錯誤して作っています。
なぜならば、色や質感が、英語のことばを「身体で吸収する」ことを手助けするから。もっと言えば、ことばを深く吸収させるためには、そのことばに合った色・形・質感を与える必要があるからです。

たとえば、1月にはSnow(雪)をテーマに取り上げて、いくつかの歌を取り入れました。
最初、雪が落ちてくる様子を歌う際に、雪の結晶のイラストをラミネートして切り取ったものを使おうとしました。
でもそれでは、雪が降ってくる感覚が心に響いてこない。ラミネートの重い質感が、雪の結晶がふわふわと落ちてくる様子を歌う歌とマッチしないのです。

それでいろいろと試行錯誤した結果、チュールという網状の軽い生地を細長く切ってリボン結びにしたものを使いました。これによって、雪がふわりと落ちてくる感覚が疑似体験でき、雪の歌が「身体に入った」のです。

同様に、雪を丸めて雪玉を作る歌では、最初は不織布を丸めさせましたが、全く雪玉を作る感覚が起きてこないので、だめでした。次にプラスチックでできたボールプール用のボールを用意しましたが、それもなんだかしっくりこない。

結局発泡スチロールでできた球を用意し、子ども用と大人用に大きさを2種類用意して、それを持たせて丸めるという動作をしながら”Roll, roll roll the snow…”と歌うことにしたのです。
すると発泡スチロールの軽さや質感が、雪玉を作る疑似体験を助けてくれて、子ども達は大喜びでした。そして子ども達、そしてお母さん達に、ボールを丸く転がしながら雪玉を作るという動きと、歌が、ともにしっかりと「身体に入っていく」様子が見られたのです。

このように私はRhymoeにおいて、動きや感情とともに、英語のことばが参加者の身体の中に深くしみ込んでいく様子を「身体に入る」という言い方をします。
そして、その現象をとても大事にします。
英語のことばが「身体に入る」と、思わず口ずさみたくなり、深く記憶に残り、幸福感さえ感じるのです。

そういう意味では、Rhymoeは英語教育とは、言えないかもしれません。
むしろ情緒教育とか、芸術教育とか、そのような部類に入るかもしれません。

けれども、私はRhymoeによって、皆さんに問いかけたいのです。
英語を話せるようになるって、単語やフレーズがいくつ言えたらいいというような、知識の記憶作業ではない(これは、子どもであっても大人であってもそうです)。
英語を話すということは、英語という言語を通して、「世界」を見ることに他ならないわけです。

話せるようになるためには、その言葉が語られる世界に浸らなければならない。
その世界と一体になる経験がなければならない。
でも普段日本語という母語で生きる私たち日本人にとって、英語の世界に浸るような機会は、そうそうない。

だからこそ、「英語の世界」に浸り、「英語の空気」を感じ、「英語の音声」と戯れる経験をし、それによって身体のさまざまな感覚が同時にしっかりと刺激される機会をしっかり作ることが、限られた時間で効果的に英語を吸収することにつながるのだと、私は考えるのです。

そのために、ことばにあった事象を再現する。
色、形、質感が、そのことばにあった教材を用意する。
そのことばに初めて触れるときこそ、できるだけ本物に近い形で、できるだけ本当の感覚が呼び起こされるようなものを、用意すべきです。

だからRhymoeは、教材選びと教材つくりは、妥協しません。

そうやって創られるRhymoeワールドを、ぜひ多くの方に体験していただきたいと思っています。

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